RAMIE

ラミーとは


ラミーとは、苧麻(ちょま)というイラクサ科の多年草の茎の木質部と表皮の間の部分を原料とした繊維です。
日本では、繊維として非常に古い歴史があり、弥生時代の遺跡からも高度な織物が発見されています。古くは「からむし」、または「からそ」「まお」などと呼ばれていましたが、大正時代に入ると、中国などから多くの苧麻が輸入され、改良種が栽培されるようになり「苧麻」という呼び方が一般的になりました。昭和30年以降、マレー半島で生産された苧麻は「RAMI」と呼ばれ、その後フランスを経て「RAMIE」となって世界的に使われる名称となりました。
なお、家庭用品品質表示法では、ラミーは「麻」と表記されます。「麻」と表記できるのは、ラミーとリネンに限られています。

ラミー糸の製造工程


ラミーは年間3~4回の収穫をすることができます。収穫したラミーの茎を手作業で剥皮機に掛け、剥皮された原料(原草)を天日乾燥させます。その後、「蒸解」と呼ばれる高温・高圧の苛性ソーダで数時間煮沸し、ガム質などの不純物を除去する作業を行います。梳毛紡績と同様に、「練条」「粗紡」「精紡」などの工程を経て、糸として仕上げることで、ラミーの魅力を最大限に引き出していきます。

剥皮作業と天日乾燥

精紡工程
画像提供元:帝国繊維㈱

ラミー繊維の特長


●天然繊維の中でも優れた吸水速乾性
ラミーは繊維構造がマカロニのような中空構造をしているため吸水性が高く、通気性・速乾性に優れています。また熱伝導率が高く、すぐに発散するため清涼感を感じられます。高温多湿である日本の夏の気候には欠かせない素材となっています。

●コシの強さと耐久性
天然繊維の中で繊維強度が最も強いとされ繊維が太いため、リネンより風合いが硬めです。水に濡れるとさらに強度が約60%増すと言われており、繰り返しの洗濯に対しての耐久性もあります。

●自然の上品な光沢感
光沢のある繊維とは、重合度・結晶化度・配列度が高いものといわれています。ラミーは、コットンやレーヨンなどと比べ、これらが高いために美しい光沢が生み出されています。また、リネンはマットで天然繊維独特の生成り色(亜麻色)に対してラミーはシルクのような光沢があり、色が白っぽいことも特長のひとつです。