コーデュロイ

コーデュロイとは


コーデュロイ(Corduroy)とは、毛羽がタテ方向に畝(うね)になったパイル織物です。別珍と同じヨコパイル織物の一種で、ヨコにパイル糸と地糸の2種類を織り込み、パイル部分をカットして作られます。原料は主に綿やレーヨンなどの短繊維が使用され、長繊維では表現しにくい、畝の豊かな毛羽感とその光沢感が特徴です。 この畝は英語でWale(ウェール)と呼ばれ、複数の幅があります。18ウェールや6ウェールなど1インチ(2.54cm)間の畝の数で呼ぶ場合と、太コール・中コール・細コール・親子コールなどの愛称で呼ばれる場合があります。
語源は諸説ありますが、仏語の「Corde-du-Roi(王様の畝)」が広く知られています。Cordeは“畝”、duは英語でいう“of”、Roiは“ルイ王朝”を意味し、そこからも推測できるように、フランスのルイ王朝時代に誕生したとも言われています。日本では、コーデュロイは天鵞絨(てんがじゅう/ビロード)によく似た畝があることから漢字を一文字とり、「コール天」とも呼ばれています。

コーデュロイの製造工程

製織 ヨコ糸を使ってパイル(輪)を作ります。この工程で畝の高さや密度をコントロールしていきます。

カッチング
カッチングとは、輪状になっているパイルを中央でカットする加工工程です。織り上がった生地のパイル部分にガイドニードルという針を通して、パイルを浮かせながらカッターでカットしていきます。それ専用の機械と高度な技術が必要になるため、この工程ができる加工場は限られています。

揉み込み・毛焼き・仕上げ
カッチングした後のパイルをほぐし、畝を作るために水で揉み込みます。この時、綺麗にパイルが立つように揉み込み時間を調整します。その後、乾燥させて畝の表面にある不要な毛羽を熱したローラーで焼き、毛並みを整えることで特長である光沢感が生まれます。さまざまな工程を経て、最後に染色整理加工を行い、生地として仕上がります。

このようにコーデュロイは一般的な平面の織物に比べて製造工程の多い生地です。そのふんわりとした毛羽感と光沢感は、専用の機械と高度な技術によって生み出されています。