㈱大長 近江晒加工
近江晒とは、滋賀県愛荘町を中心に生産されている「近江上布」の伝統的な加工方法で、灰汁(あく)*を用いて、生地を柔らかくし、染めやすくするための漂白を行います。 *木や草を燃やした灰を水で溶かした液
<近江晒の手法>
①生地に灰汁をかけながら、十日余り天日干しします。
②大釜に入れて灰汁で炊き、天日干しします。この作業を数回繰り返します。
③木臼でたたき、水で洗い、張り干しして仕上げます。
㈱大長は、明治20年に滋賀県東近江市で創業、当時から近江上布の整理加工を開始し、近江上布の加工に由来する製法をベースに開発した技術を用いて生地の加工を行っています。 同社が確立した近江晒加工では、液流染色機を用いて糊抜き、精練工程をする際に生機を一気に縮ませることで凹凸感を出し、ノンシルケットで液流染色を行います。さらに揉み込み工程を加え、生地にテンションをかけずに乾燥することで、近江晒のような風合いに仕上がります。
スタイレムでは、㈱大長の近江晒加工を麻や綿などの生地に施し、洗いざらし風のシワ形状とふくらみ感のある柔らかい生地を数多く提案しています。